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2025/10/18 03:52

周りの人にこれ以上ショパハラをしないよう、ここで独り言を書き殴ろうと思います。

(こう思う、ああ思う、と思いがある方はお気軽にメールください。返信はできないかもしれませんが!)

ショパンコンクールとは5年毎にワルシャワで行われているショパンのみにフォーカスした国際的なピアノコンクールです。※前回はコロナ禍で1年遅れて2021年に開催

予備予選の約160名のコンテスタントの中から、1次予選(約80名)、2次予選(約40名)、3次予選(約20名)と進む度に約半数ずつ振り落とされ、ついにファイナルは11名で競います。
その全ての演奏がYOUTUBEで視聴できます!
弾く人も神だし公開してくれるショパンインスティテュートも神です!
https://www.youtube.com/@chopininstitute

ポーランドではYOUTUBE以外にもテレビ放送していたり、ラジオでずっと特集していたり、”クラシック音楽好きにとっては”かなりの国民的イベントという感じでしょうか。
とはいえお店に来るポーランド人のお客さん達にチラホラと聞いてみた感じだと、今のところ誰も興味なさそう・・・笑


もしショパンに興味がなければ、ただのBGMとして動画を流してもいいと思います。
同じ曲を聞き比べても面白いと思います。
好きなように楽しめるのもショパンコンクールの良さかもしれません。


まず審査員へのインタビュー動画が面白い。
これはポーランドの公共ラジオによるインタビューです。
審査員の一人ヤブウォンスキ教授の言葉はかなり興味深くも棘トゲだった一方で、ケヴィンケナーさん(1990年2位の方←1位不在の年でした)は優しさと謙虚さが際立つ。

「演奏を聞きながらメモをとるようにしているが、いい演奏を聞いている時はまったくメモが進まない。聞き入ってしまっている。」これは審査委員長のガリックオールソンさんもいい演奏の時ほど、メモは何も書かれてない、と笑って言ってた(気がする)。
他にも、どんな言い回しだったか忘れたましたが
「今回のコンクール中も、素晴らしい演奏の時は自分が今まで気づかなかった曲の魅力を発見することもある」「この素晴らしいピアニスト達が切磋琢磨する瞬間を目の当たりにできて嬉しく思う」
「自分も常に学びを得ている」みたいな、すてきな言葉が出てきていました。
憎まれ口をあえて自分から発するヤブウォンスキさんもすごく面白い。
ケヴィンさんも人柄が伝わるし、こういうインタビューは本当に面白い。

ケヴィンさんといえば1990年ショパコンのテレビ放送時の映像がYTにあがっていて、本当に面白い。平成初期な日本も感じられるし、社会主義崩壊直後のワルシャワも感じられる。(ブーニンの時の1985年時も面白い)

この年、3次予選まで進んだ唯一のポーランド人が急きょ病気で出場棄権という事態も。
その時のポーランド人のあの少年が、今回も審査員をされているヴォイチェフ シフィタワさん。点と点がつながった時はちょっと興奮しました。https://youtu.be/kGJsmkVW96k?si=sRY7VLhsMXJ3pRcb&t=3737


それにしても、誰がより上手いかという評価は本当に難しいですね。
齧り聞きのポーランドラジオでも、3次予選最終日の昼の部の感想では牛田さんのほうが断然褒められていてWangさんのほうが好まれていなかったようですが、結果はWangさんはファイナル進出して牛田さんはせず。
ポーランド人コンテスタントの中でも、ポーランド人の熱気を見る限り数学者でもあるパヴラクさんのほうが人気が高いようでしたが、ファイナル進出はアレクセヴィチュさんのほうでした。
イ兄弟も評価高そうだったけどお二人とも進出せず。(ブレハッチさん優勝の2005年も韓国のピアノブラザーズ・イム兄弟が共に3位入賞してた。韓国の兄弟は結束が強いのかな?)
料理も、何が美味しいかとか何が良い料理か、とか本当に好みですからね。
とはいえ、料理も芸術も、絶対に民主主義では決められない領域だと思います。※商業でない限り
そこはやはり、審美眼(耳)を持った人の意見こそ価値があると思います(その中でも意見が分かれるから困っちゃうのですが)。


以下はどうでもいい素人の私が感じたことです。
全員を通して聞いているわけではないのでフェアな聞き比べはできていないけど、それはきっと自分だけではないハズ(笑←明らかに同国の人に対するその国の言語でのコメントが多いのはそのせいに違いない!)だから堂々と感想を書いてしまおう。

日本人は2名の女性ピアニスト。ファイナルで見られるのが嬉しい。誇らしい。1次だったかな?で、あまり弾かれないノクターン9-3が聞けるだけでも嬉しいのに、桑原さんの最高だったなあ。

お星さまのTianYao Lyuさんは印象的。緊張感がなく、音楽の星から来た妖精さんがピアノを楽しんでるだけみたいな感じで、ただただ聞き(見)惚れていられる。(葬送ソナタ3楽章の付点のリズムが耳馴染みがないpopな感じに聞こえたのは自分だけかしら)
確か、ブレハチュさんと同じポーランド人の先生(ズィドロンさん)に師事しているとのことなので、イズムを受け継いでいるのかも。

ZiTong Wangさんも流石ダンタイソン流なのか音が綺麗、で自信がある感じと妙な安心感が好き。

マレーシアのVincentさんも、どうも気になってしまう。
日本人、ポーランド人、欧米人、近隣のアジアの人とかは何となく表情で心の内とか想像できるけど(当たっているかはおいておいて)、Vincentさんは全く心が読めない謎の魅力がある。まるでコナン君とかキテレツがピアノ弾いてるみたいな非リアリティがある。意外に24歳で驚く。3次予選の前にコーヒーおかわりしたせいで調子狂っちゃったよ、という面白いエピソードも謎を深める。インタビューで媚びない大物感(でもサービス精神はある)も謎を深める。インタビューでも言っていたけど、めっちゃ難しい曲をまるで子供が公園で遊んでいるかのようにサラサラ~と弾く姿もギョッとする。ケヴィンケナーさんもショパンらしい演奏とは「effortlessness」みたいなことも述べていたから、その言葉にはまる。
effortlesslyに弾いているといえばケヴィンチェンさんはスゴイ。ミスターパーフェクション。優勝はこういう人なのだろうか。
もう皆うますぎてどこをどう評価するのかよく分からない。
ただ、1975年優勝のツィメルマン氏とか2005年優勝のブレハチュさん(2人ともポーランドを代表するピアニスト)のような定石になるような演奏家なのかといういうと、どうもちょっと溝があるような気もする・・・(どんだけ上から目線)

先のヤブウォンスキさんの言葉「(2次予選中)ポロネーズなんて聞こえてこない!」という指摘が頭に残り、色々と聞き比べてみて、ブレハチュさんの刻むリズム感とか(これは生でも聞いたことがある)巨匠ルービンシュタインさんの演奏とかはやはり別格な気がする(人の言葉に影響されやすいだけの可能性もあり)。

ホンマモンのポロネーズってなんだろうとチラッと調べるくらいだと、Wojciech Kilar(結構最近の方)作曲の映画「パンタデウシュ」の挿入歌ばっかり出てきてしまう。↓


でもこの荘厳な低音のリズムとかアクセントが、らしさなのかなという理解は少し深まった。
実際にブレハチュさんのを聞くと、このリズムが聞こえてくる。
マズルカも、弾く人によって本当に景色が変わるから面白い。(正直マズルカを聞くのはあまり得意ではない)
パヴラクさんのゆったりとしたワルツ1番はなかなか面白かったなあ。
ショパンは自由と形式のバランスがセンス問われるのかもしれない。
改めて、舞曲の難しさよ・・・。


演奏とは別に、外国語系の大学に行っていた自分は言葉の問題がどうしても気になります。
多くのコンテスタントが英語が流暢で驚くとともに、ポーランド語も流暢な人がいて驚く。
だいたいが留学しているとか、生れが外国とかで、もはや何人というくくりが意味をなさなくなっているような気もする。(インタビューでポーランド語ペラペラのベトナムの人は小さい頃家族でポーランドに移住とか。ずるい。イヒョックさんもロシア留学していたところロシアのアレのせいでポーランドへ移ったとかでポーランド語でインタビュー答えていてびっくり)

ただ英語が共通語で当然みたいな感じになっているのは違和感がある。
英語を普段使っていない人まで英語でやりとりすると、考えていることの上澄みしか出てこない気がしてもったいないというか物足りないというか・・・。どうしてもヨソ行きの答えになってしまって、その人のキャラとか面白エピソードが出てきづらい。
何より色々な外国語が聞けた方が楽しい。
Lyuさんの中国語とか、意味分からなくても何か伝わってくる。
イタリアのRubenさんも生き生きとイタリア語で喋ってるのを聞けて、これでいいんだよ!と思いました。
とはいえ通訳がいたからといって正しく通訳されないこともあったり。
それを含めて、色んな言語が行き交う混沌とした面白さのほうが自分は好きです。
チャット欄でも、英語使おうキャンペーンがはられているけど、大して価値のあるコメントもないんだから母国語でもいいじゃないと思う。少なくともどこの国の人が今見ているのか分かるし(分からなくてもいいけど)

あと、あんなに各コンテスタントをほじくりかえさなくてもいいのになあ。とチョット思う。
その人のことが分かるのは面白いんです、が、各自のプロモーションビデオみたいなやつは、インタビューだけならまだしもアイドルみたなショットとかは見てるほうが照れてしまう。
(自分もポーランドメディアに取材をしてもらったことがあり既視感があります、、、ポーランド人は各自が主役であろうとしているというか、取材対象よりも出来上がるものをいかにアーティスティックな作品にするか、自分の作品に仕上げるか、に力を置きすぎているようなきらいがチョイとある)

あの1985年ブーニンが出ていた時みたいな、謎に包まれた感じでいいと思うんだけど、懐古主義といわれればその通りかもしれない。
あの時のブーニンは、冗談通じなそうなスーツ着た人達に終始ガードされて一切外部との接触を断たれてたみたいですね。恐ろしあ(ソ連)な世相が分かるのも面白かった。
今はショパコンは完全に作りこまれたエンタメなのかもしれない。
それはそれで楽しませてもらっているからいいのかもしれない。
皆さん立派すぎて、もうすでに有難うって感じです。

結果は日本時間で21日(火)早朝4時頃だそう。

まだショパコンを見た事がない方は、
https://www.youtube.com/@chopininstitute
でファイナルのライブを見るもよし、過去のアーカイブを見るもよし、です。

※YTの概要欄に出てくるChopin Surveyアンケートみたいなやつ答えようと思ってやってみたら、目茶苦茶長くて途中で投げ出しました。やる人は、時間がある時に、覚悟して取り掛かったほうがいいかもしれません。

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