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2025/10/28 01:36

インタビューの辛口コメントで(一部の間で)話題になってしまったヤブウォンスキ教授。

色々と掘り下げると非常に面白く、ワクワクしましたのでご紹介。

この動画は日本人にもっと見てほしいなあ!2分ちょっとなので是非。


だいたいこんな内容です↓
「85年のショパンコンクールの時に、NHKのカメラクルーが私の部屋を撮影したんだ。
私がアパートで練習していたピアノが映像にされていて、それを見た日本の視聴者が
『こんな世界的コンクールに出るような人が、こんなガラクタみたいなピアノ使ってんのかよ』って驚いたみたいで、私が3位受賞後に800人ほどの日本人がお金を出しあってくれて、この特別なカワイのグランドピアノを私に贈ってくれたんだ。それが今でも私と一緒にいるピアノだよ。」

ポーランドから現在のカナダまでずっと一緒。
いい話です(T_T)


これを聞いて、色々と点と点がつながりました。

ずっと前に見た85年(ブーニンyear)のショパコン映像のあの青年がアナタか!

https://youtu.be/kv8mgdhpfEg?si=IRDb516pkR8jBxqf&t=1337
ずいぶん可愛い形のピアノがあるもんだと感心していたのを覚えています。
ビヨーン、ビヨーン、変な音だろう、と20歳のヤブウォンスキ青年が見せてくれています。
NHKのナレーションでは、「1926年製の中古で5年ローンが残っている、何とか優勝して新しいアパートと新しいグランドピアノを手に入れて婚約者アーニャと住むのが夢だ」と。
何でもローン買いというのは、まさに共産主義時代のポーランドでよく聞く話。
優勝こそ逃したものの、まさにショパコンドリームが実現したんですね。



面白いインタビュー動画が他にも沢山で

(※ながら聞きのうろ覚えなので訳は雑です)
・1975年のツィメルマン優勝に感化されて、俺も優勝してやる!と10歳の時にショパコン準備を始め10年かけて出場した

・冷戦時代だったので西側に行くのが大変で、受賞後には色んな種類のパスポートを用意されていた。一度ポーランド出国時の職員のミスでビザなしでドイツまで行ってしまった。ドイツの職員にあわてて色んなパスポートを見せてしまい、フランクフルトで逮捕された(笑)

・どっちかというと猫派

・現代は色々なメディアが発達したせいで、じっくり時間をかけて音楽や歴史に向かい合おうとすることは無くってしまった。Youtubeで正しくないことも簡単に学べてしまうし、近道をしようとする。ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を弾こうとするくせにE♭のスケールの指使いすらまともに知らないなんてこともある。

あのショパコンで話題を呼んだ辛口コメントは、2025年のコンクールに対してというよりも前から思っていたことというのが分かります。

途中で出てくるKłeczekさんは2025年ショパコンに出場されてました!(たしか1次敗退)
そこでもノクターン9-3を弾いていた。
ヤブウォンスキさんも85年のショパコンで弾いた曲だそう。


他にも

・フランクフルトの空港で(※これは最近の話)、iPadの楽譜をめくる用のペダルを所有していたら、爆発物だ!と入管で足止めをくらった。ターミナルにいた旅行者は全員緊急避難させられて、警察の爆発物処理班を呼ばれて、自分はテロリスト扱いされて(笑)3時間も待たされた。

AirTURN。

他にも、どの動画だったか忘れましたが、
「85年の時は、勝ちたいという(純粋な)思いもあったけど、あの
時代(※共産主義&冷戦時代)は、ああいったコンクールで勝つことくらいしか賞金を得たり、外国に行く機会を得られることもなかったから、出場したのはそういう生活面の理由も大きい」
「もし今年齢制限がないコンクールがあったら出場したいかって?賞金がでかければありかも(笑)」
と、面白オジサン全開でありながら、共産主義時代に途方もない苦労をしたんだなあという強さも感じます。

他にコロナ禍のインタビューということもあり、ピアノが弾けないなら何をやるか?との問いには
「調律もできる。電子機器も得意だし、無線も好き。家のリノベーションも得意。(※他にも色々、忘れた)
とまあ流石、これもまさに暗黒の共産主義時代を生き抜いた人って感じです。
何も手に入らないから、何でも自分で作る、というのがあの時代の人達に共通するパワー。パワーは力だ!
(あのツィメルマンも、同じく自分で調律したり、ピアノを組み立てたりもするらしい)
(あと空港といえば、ツィメルマンも被害者です。アメリカの空港でピアノの匂いがどうのこうので爆発物の疑いをもたれてピアノをぶっ壊されたというエピソードもあります。という理由もあり、アメリカでは一生コンサートをしない主義になった)



最後にヤブウォンスキさんによる、ショパンの生家でのリサイタル動画。

ここでもノクターン9-3です!
(最初のくだるパッセージのところ、2回目の似ているパッセージを弾きかけてしまったと思われる。巨匠でも間違うのねと勇気をもらう)

スケルツォ2曲にバルカローレ、スピアナートのポロネーズと盛りだくさんです!

これぞ巨匠って感じの圧巻の演奏。
ピアノがもう「はい!言う事聞きます!(/・ω・)/」って完全に飼いならされているよう。

ショパコン2025のピアノの「一緒に頑張ろうね、協力するよ(^^)/」という雰囲気も良いんですけど。

インタビューで辛口コメントをされていたポロネーズも、さすが。
左手とペダル使いがすごくポロネーズしている。
美しいだけのポロネーズとは全然違うと気づかせてもらった。
(自分は弾けないから、分かったつもり~を楽しむ)


巨匠っぽさとは何なのか考えてみると、難所の前にまったくテンポがぶれないところじゃないかと思い至った。(ほかにも色々ありますが)
0.01秒くらいの違いかもしれないけど、巨匠は一瞬のためらいもない。気がする。

そしてこのパワーボディ。
インタビューでは10代に習ってた時は先生に指が細すぎて力がない、君の指はソーセージだ!(たぶんひょろひょろのパルシュキソーセージのこと。そもそもパルシュキが指という意味)と指摘されてたとも言ってました。


ピアノが小さくみえる。

おそらくファイナリストで一番小さなVincentさんを比較にだしてみる。
写真だとあまり分からない。
(体格の小ささはハンデになると思うのだけど、よくまああれだけ弾けるなと思うことしきり。)
https://youtu.be/xsVgT3vtruM?si=ECwZ_sfaKoJKQrAA 


この英雄ポロネーズもこれぞポロネーズ!
わかったよ、ありがとうヤブウォンスキさん、目を覚ましてくれてありがとう。

弾く姿が国民的俳優Janusz Gajos氏に見えてくる。(我々日本人って○○に似てるとかいうの好きなのなんでだろう?)

ヤブウォンスキさんという方は生きていた時代とか、考えをズバっと話してくれることとか、真面目でありオモシロオジサンでもあり、そして『Jabłońリンゴの木』という苗字からしてもまさしく古き良きポーランド魂が宿っている方って感じ。(ポーランドは生産量ヨーロッパ1位、世界4位のリンゴ大国)

採点結果は水曜日に公表されるらしい。
誰に何点つけてるんだろう。

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