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2017/04/18 00:00
【見出し】
―どんな日? それはもちろん、アレを食べまくる日!
―いつ? 実はちょっと複雑な仕組みだった!
―起源 ポンチキ食い文化は○○世紀から行われていた!
―その他のお菓子 やっぱり、揚げ物です!
―他の国 ポーランドはやっぱりすごい!
―現在の姿 ポンチキデーよ、永遠に
―どんな日?
ポーランドでは、この「脂の木曜日」と呼ばれる日に、
脂っぽいお菓子を食べる習慣があります。
その中でも一番人気なのが「ポンチキ」です。
最近のデータでは、その日1日だけでなんと
「1億個」近くのポンチキがポーランド国内で食べつくされるそうです。
ポーランドの人口が4000万人に届かないと考えると、
とてつもない数ですね。
そんな「脂の木曜日」の定番の挨拶は
「ポンチキいくつ食べた?」だそうです。
―いつ?
ざっくりと、キリストの復活を祝うのがイースター(復活祭)ですが、
そのイースター前に行われる46日間の断食(肉)期間
「四旬節(しじゅんせつ)」の前の木曜日が「脂の木曜日」です。
イースターは年により日にちが変わりますので、
この「脂の木曜日」も毎年日付が変わる「移動祝日」です。
例えば今年は・・・
2月23日(木)= 脂の木曜日(食べまくる日)
3月1日(水)= 灰の水曜日(この日から断食期間がはじまる)
4月16日(日)= 復活祭(イースター)
といったスケジュール。
ちなみにフランスなどの国では木曜日ではなく断食前の火曜日に
「マルディグラ」という、ポンチキデーに似たような日があります。
今年は2月28日(火)
(こちらは「脂」よりちょっと上品なニュアンスで「肥沃な」火曜日と呼ばれます。)
―起源
その起源には諸説あるようですが、
とにかく断食前に、家にある食材をなくすためにパンやお菓子を作って食べつくすという習慣から始まったようです。
最初から今のようなポンチキが食べられていたわけではなく、
昔はなんと、豚肉、ソーセージ、背脂などが具の「肉入り」ポンチキ(というよりパンのような生地)を主に食べていたとか。
「背脂ポンチキ」、想像しただけで恐ろしい・・・。
甘いものというと、ポンチキではなくFaworki(ファヴォルキ)と呼ばれるさくさくの揚げ菓子が食べられていたようです。
ファヴォルキって実はポンチキよりも歴史が長いんですね。
ようやく現在のような甘いポンチキが現れたのは16世紀ころとのこと。それでも十分な歴史ですね。
日本の太巻き文化とは大違いです!(太巻きも好きですが)
とはいえしょっぱいポンチキか、甘いポンチキか、また具や上の砂糖をグレーズにするのか粉砂糖にするのかに関しては、
地方によってかなり習慣・ルールが違っていたようです。
(例えばポドハレ地方では、フィリングは何が何でも「薔薇!」と決まっていたそうです)
―迷信
「起源」でも触れたように、昔は今のようなポンチキの形ではなく、
ジャムではなく「クルミ」などを入れることもあったとか。
その頃は、ポンチキを食べて「クルミ入りに当たった人は幸せになる」という迷信があったそう。
現在の迷信は、「脂の木曜日にポンチキを食べないと不幸になるぞ!」という、
ちょっと脅迫的な内容となっています。
本当に昔からある由緒正しい迷信なのか、それともポンチキ業界が仕掛けた迷信なのか、、、
ポンチキ博士がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください。
ということでみなさん、不幸になりたくなかったら、ポンチキ食べましょう!
―その他のお菓子
前述のように、脂の木曜日には「ファヴォルキ」もよく食べられます。
小麦粉と卵黄、サワークリーム、(家庭によってはビール)なんかを混ぜて薄くのばして揚げたお菓子です。
あとは同じ生地で作った「ルジェ・カルナヴァウォヴェ」です。
「カーニバル・ローズ」とでも言えばいいんでしょうか、薔薇をかたどったものにジャムなんかをちょこっと乗せたカワイイお菓子です。
―他の国
こればっかりは知識が乏しく、実はあまりわかりません。
チェコのある村では仮装軍団が庭先で踊る、とか、女性のお尻を何か(忘れました)でパシパシたたくとか。
スウェーデンでは「セムラ―」というシュークリームみたいなパンを食べるとか。
(とはいえ同じ時期なのか、何個くらい食べるのか、不明)
イギリスでもこの日は「パンケーキデイ」といわれるほど、パンケーキを食べまくるとか。
噂には聞くものの真相はわかりません。
「脂の木曜日」をイースター前の断食前のお祭り騒ぎと大きな意味でとらえると、
リオのカーニバルなんかもある意味仲間なのでしょうか。(今年は2月24日~28日)
そういう意味では、イースターを祝うキリスト教のさまざまな国で、
そんな感じの飲み食い踊るお祭り騒ぎは行われるようです。(雑な言い方ですみません)
でも、これといって名物料理はあまり聞かないですねぇ。
そう考えると、ポンチキほどこの断食前のお菓子として熱烈な愛情を受け継ぐ食べ物は
実は珍しいのではなかろうか。
―「脂の木曜日」現在の姿
現在の「脂の木曜日」は、
行列が嫌いなポーランド人が朝からポンチキを求めてポンチキ屋さんやらパン屋さんに長い行列を作ります。
そして、みんなそれぞれ学校や職場に5,6個持ち寄って、いろいろ食べ比べをするようです。
ああ、楽しそう。
そして面白いのが「ポンチキ早食い競争」!
色々な地域で開催されているようですが、だいたいどこもルールは「ポンチキ10個を早食いする」というもの。
水は飲んじゃいけなかったような気がします。
一番有名なのは2005年から開催されているポズナンの大会です。
この大会での最高レコードは、2011年の優勝者が出した4分12秒です。
どんなアゴしてるんでしょう。
YouTubeでもいろいろ公開されているので、見ると面白いです。
女の人とか、おじいさんとかも頑張って食べてて、ちょっとハラハラします。
ポンチキヤでも去年は動画で早食いキャンペーンをやりました。
最高記録は1分30秒くらい。2個です。
今年は「ポンチキ祭り」でも早食い大会をやります!
ポーランドチャンピオンに匹敵するには、2個で50秒!
それは無理でも、豪華な優勝賞品のほか、ポーランドグッズがもれなく当たるので、
ぜひチャレンジお待ちしています!
というわけでこの「脂の木曜日」、
ただお菓子を食べまくるだけの文化じゃないのです。
こんな不健康な文化が何世紀も続くなんて、ポーランドは面白い。
これからも、どうかずーっとこの文化が続きますように・・・。
(内容に間違いがあったらご一報を)