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2016/11/04 07:00
[イェシリ ズナイジェッシュ オジェフ フ ポンチュク、チェカ チェン シュチェンシュチェ]
ポ:Jeśli znajdziesz orzech w pączku, czeka cię szczęście
こちらはポジティブな迷信です
意味は「もしポンチキにクルミが入っていたら、幸せが待っている」
イェシリ が 「もし」
ズナイジェッシュ が 「(君が)見つける」
オジェフ が 「クルミ」の対格
フ ポンチュク が 「ポンチキのなかに」(ポンチュクはポンチキ1個の前置格)
チェカ が 「待っている」
チェン が 「君を」
シュチェンシチェ が 「幸福」
あまり聞いたことがない伝統ですが、どこかの何かに書いてありました。
伝統を重んじる奥様は今でもお客さんに振る舞う手作りポンチキにクルミを仕込むとかなんとか。真相は知りません。
ちょっと頭痛な文法の話。
今日は動詞に関して。「ズナイジェッシュ」は「ズナレシチ(見つける)」という動詞の二人称単数形。これはざっくりと言えば未来形です。一回の行為に関する動作は「完了形」という動詞のタイプに分類され、このズナレシチも完了形です。
「完了形」って何ナニ?いう方は読み進めてください。もうすでに頭痛が始まった方は、この辺で引き返したほうがいいかも。
ポーランド語では、(多分)すべての動詞が「完了形」と「未完了形」のペアになっています。
基本的な「見つける」という動詞は、この完了形「ズナレシチ」と、未完了形の「ズナイドヴァッチ」の2つがあります。ズナレシチは一回の「見つける」という行為。ズナイドヴァッチは繰り返す場合や現在進行している場合に使います。現在の行為を指す未完了形に対して、完了形は一回で完了する未来の行為を指します。
前に出てきた「ズイェッシュ」と「イェッシュ」も同じ関係です。
どっちも「君が食べる」という意味ですが、「ズ」がついてる方は完了形で「君が(未来に、一回)食べる」という意味です。イェッシュは単に「君が(今、もしくは習慣的に)食べている」という意味です。ムムム。
このスラブ言語独特の考え方が最初はよくわからなくて、しかも覚えることが多くて、ひゅるひゅるとやる気がしぼんでしまう人が多いですが、とにかく理解を超えるものは丸暗記すればなんとかなります。慣れてくると、このシステマチックな言語の便利さに感動することでしょう。(とはいえ不便さの方が多いですが)
そしていかに英語が(一見)簡単な言語か、きっとありがたく感じることでしょう。
英語では、例えば「する」という動詞の場合willとdoを覚えれば、未来のことも現在のこともどんな主語でも大抵のことは説明できます。あとは3単現のdoesだけですね。ポーランド語の場合は「する」一つを取ってもまず「完了形」と「未完了形」の2パターン、さらに主語によってそれぞれ6種類の変化形を覚えて、さらに「未完了形」の未来形というのもあります。しかもこの未完了形の未来形は男性、女性、中性と形が微妙に変わるのでざっくり数えて18種類。計30種類くらいの形を覚えないとまともに会話もできないのです。なんていう素晴らしい言語なんだ。英語は。(フランス語やアラビア語も、動詞に関してはなかなかに複雑怪奇です。)
他にも文法のことを書こうと思ったけど、重くなりすぎてしまいそうなので、これにてオシマイ。